ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足度 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 4pt | 4pt | 2pt | 1pt | 2pt | 1pt |
43pt
GOOD!
・神宮寺三郎シリーズの新境地を目指そうとしたところ
30年間続くシリーズとはいえ売り上げを見ている限り先細りになりつつある以上、今作のような挑戦は評価できると思う。
・キャラ・背景グラフィック・BGM
これまでの神宮寺三郎シリーズとは一線を画す雰囲気で賛否はあると思うが、個人的にはスピンオフ作品ならばこのくらいの変更はありと思う。神宮寺の一人称視点で進む作品なので、若き神宮寺からみた世界観という意味でも雰囲気は良かったと思う。BGMはシリーズ作品の名に恥じない出来。
・360度探索システム
従来作では風景が一枚絵なので背後がどうなっているか等は不明だったが、今作のシステムなら室内のつくりなどもある程度はわかるため良かった。ちゃんとキャラの声が背後や左右から聞こえてくるようになっているのも良かった。
・若い神宮寺は色々違和感はあるが、事件の真相よりも事件にかかわった人々の思いを知ろうとする神宮寺のスタンスは今も昔も変わっていない。ここは一番の神宮寺らしさなので守られていて良かった。(個人的には作品全体でそういうスタンスを学んで成長してくれたらもっと良かった)
・EDに入るときの演出。
ネタバレになるので省くが、ここは予想通りだけど格好良かった。
BAD/REQUEST
・新システムが機能していない
「思考の木」は神宮寺が情報を得たら記録されていくという従来の手帳システムと役割は全く一緒だが、記録が増えていくたびに長い演出が入るためむしろ劣化手帳システムになっている。「スタンスチェンジシステム」は恐らく企画段階ではスタンスを変えて会話の流れが変わるはずだったと思われるが、実際は従来の神宮寺でいう「脅すorなだめる」の選択肢のことをスタンスと呼んでいるだけ。間違った選択肢を選ぶとやり直しかゲームオーバーか構わず話が進むかなので、従来の選択肢と全く同じ。
・キャラの印象が薄すぎる
魅力的なキャラが次々出てくるが、ほとんどのキャラはろくに活躍せず出番が終わる。従来の神宮寺では主要人物のキャラは既に確立しているので新キャラにしっかり出番があるが、本作はほぼすべて新キャラなので、次々出てはすぐに出番が終わってしまい印象に残らないことばかり。事件自体の数もそうだが、本作のボリュームであればもう少し小規模にしておかないといけなったと思う。
・プレイヤーへの情報提供が不足
主人公1人称視点のゲームなのにプレイヤーにはきちんと提示されていない情報を主人公だけが知っていることが何度かある。例として、ある人物が「Aが死んだ」と言ったとして、次のシーンで何故か神宮寺は「AがBに刺殺された」と聞いたことになっていたりする。プレイヤーからしたら「あれ、そんな情報あったっけ?」となる。これが何か所かあるためテキストADVゲームとしての出来そのものが低くなってしまっている。
・重要シーンで何が起きているのかわかりにくい時がある
360度システムや微妙に動くキャラクターを重要視しているためか、本作では1枚絵が一切なく、そのため誰かが刺されたりと大きな動きがあっても音しか聞こえず何が起きたのかとても分かりにくい時がある。重要なシーンほどそれが起こるため何が起きたのか困惑する。
・パートボイスが中途半端
台詞によって全文音声で読むときと一部しか読まない時とテキストと違うセリフが読まれることがあり、長いテキストの最後の方だけを最初のテキストの表示開始と同時に読むことも多く、没入感をなくしている。
・年代設定がめちゃくちゃ
神宮寺三郎シリーズは長く続いているためきちんとした年代設定は出来ないのはいいとして、今作では作中で神宮寺が1970年代に小学生であるようにテキストが出てしまう。それ自体はいいが、それにもかかわらず神宮寺大学生時代にモーテルの壁に薄型テレビがあったり車の内装が現代の車だったりしている。年代を明記すべきではなかったと思う。
・周回プレイ前提だが、システムが不親切
本作は神宮寺シリーズでは珍しく終盤の展開2か所がマルチ展開になっており、それまでのコマンド選択で異なる展開になる部分がある。少なくとも2周は遊ばないといけないことになるが、本作は既読スキップもチャプター選択もできないため、完全にゼロから始めないといけなくなる。途中でセーブをしようにも強制オートセーブでセーブデータは1周につき一つしか作れない仕様のため、同じシナリオをすべてやり直す以外に別の展開を見れず、1周目でgood展開に行けなかった場合かなりめんどくさいことになってしまう。この仕様にするのであればせめて2週目は新しい選択肢が出てくるなどしてほしかった。
・過去作との解離
本作は前作「プリズム オブ アイズ」において「夢の終わりに」の前日譚であると明言されていたにも関わらず、過去作からの設定などの変更が著しい。
神宮寺・洋子の性格はかなり変わっており、とてもここから数年で従来の2人に成長するとは思えない。神宮寺で言えば、小学生時代に焦って「~ッス」というのはまだしも大学生時代に暴漢相手に「サブローパンチ!」などと叫びながら殴るキャラが30歳前後になったらハードボイルドになるのはさすがに無理がある。その他も神宮寺・洋子ともに別人と言っていいほどキャラが違う。また、二人の年齢差もこれまでのシリーズと異なる設定になっており、極めつけは「夢の終わりに」で語られた過去の事件と今作で起きる事件はなんとなく似てるシチュエーションではあるものの全く別の事件にされており、上記のキャラ改変などもあり「夢の終わりに」にはつながらなくなっている。「夢の終わりに」「イノセントブラック」で神宮寺ほどの男があそこまで葛藤するきっかけにもなった重大な事件であり、だからこそそれ以降のシリーズではほとんど触れてこなかったシリーズにとって最も重要なファクターだったため、ここを変えられるとPS以降の神宮寺三郎は基本的に成り立たなくなる。長期シリーズなのでいくらかの設定改変は仕方ないにしても、ここまで変えるのであれば神宮寺三郎シリーズのパラレルワールドであると最初から明言しておかないといけなかったと思う。実際限定版に付属した設定本のコメントを見る限りきちんと繋がるようにする気はないようだし。
COMMENT
限定版で購入し一部の分岐シーンのために2周プレイ済み。
個人的にはそこそこ遊べたが、単品のテキストADVゲームとしての完成度は低め。
新しいことをやろうとしたが消化出来ていないしストーリーが短かすぎてキャラや設定が生きてこない。
神宮寺作品としても過去設定を悉く改変しておりファンの中でも人を選びそうな出来。
また、新シリーズなので当たり前だが事件自体もいつもの神宮寺の雰囲気は皆無。直接の残酷表現はないが、途中やや猟奇的な感じもあり神宮寺で扱う事件・犯人っぽくない部分がある。ここは賛否両論と思う。
ボリュームを増やすことが出来ないのであればもう少し小規模の事件にして、無理に「夢の終わりに」との関連を持たせなければ良かったかと。
「若き神宮寺が成長して祖父の死を解明する」という点に絞っていれば良かったのに無理に洋子を出したり夢の終わりにの事件につなげようとしたりと話を広げようとして失敗した印象を受けた。
正直、ダイダロスの続編はもういいので本編の神宮寺三郎シリーズを無難に作っていほしい。
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GOOD!
・グラフィック
歴代でも1番美しく、また写真の加工と思われるとはいえ、アメリカの風景をとても雰囲気たっぷりに描写していると思います。
・音楽
神宮寺シリーズはいつもそうですがジャズ曲やピアノ曲がとてもいい雰囲気です。今回はハードボイルドな内容ではないですが物悲しい旋律がとてもマッチしていました
BAD/REQUEST
残念ながらファンだからこその辛口な点数をつけざるを得ません
・操作性
全体的にもっさりしており、いちいち選択肢を選んでも、パアッ………、と光って、消えて、と、1~2秒かかります。
建物から出るのはワンタッチであっさり出られるのに、建物にはいるのはいちいち建物選択して、入り口を選択して、パアッと光らせて、「中に入る」という
謎のテンポの悪さが気になります。
また、知恵の樹システムも、アイデアは面白いのですが知恵の樹自体が見づらいしあまり役に立ちません。今までのような捜査メモの方が余程見やすいという…
・ストーリーが短い
あれよあれよという間に勝手に話が進んでく感が強く、3章後半あたりからもうプレイヤー置いてけぼり状態に近いです。
ていうか1章の神宮寺の子供時代のエピソードははっきりいって水増しだと思います…
・ストーリー
洋子は昔、ニューヨークでドラッグ患者の彼氏に殺されそうになったのを神宮寺が撃ち殺して助けた、という過去だったはずなのですが…
その過去がシナリオライターの超解釈すぎてものすごい美談になってます。
(過去の神宮寺と同じシナリオライターなんでしょうか?同じ人とは思えない)
というか、他の人のレビューを見るまで、え、このシーンが、あの洋子の過去のエピソードなの?!と気づきませんでした。
ネタバレは避けますがこれは最早ストーリー改変に近いです。
あと、最初に出会った頃の洋子がコミュ障うざキャラでびっくりでした。
「夢の終わりに」で、高校時代の友人と会話してるシーンがありましたけど、その時の洋子は普通の女子高生ぽかったです。
たった1年そこらでああなるとは思えないんですが…
神宮寺も洋子よりそれなりに年上なのにちょっとガキっぽい感じですし。
それとエンディング分岐が非常にわかりにくく、
しかもオートセーブなのでやり直すなら本当に最初からになります。
前述の通り操作性がもっっさりなので、ストーリーが短いとはいえ、そんな気力なさすぎます。
・キャラが多いのに描写不足
出てくるキャラは多く、それぞれとてもいい意味で「濃い」感じなのに、物語にほとんど入ってきません。
あの3人組のエピソードはもう少し掘り下げて欲しかった。
あのキャラも、そもそもどうしてそんな殺人鬼になったのかとか、
その息子も、結局誰の息子だったのかなとか…
レオと父親の関係もまだ何かありそうですし。
出てきそうで出てこず、気になる部分は丸投げ状態でした。神宮寺が日本に帰っちゃったから知りようがないですよね。
そして、最終的なラストも、ひたすら悶々とするしかない感じです。
COMMENT
神宮寺シリーズの外伝と頭に叩き込んでいても納得のいかない展開が多く、
残念な作品だなというイメージです。
とはいえ神宮寺ファンなので、また作品が出たら買いたいですが、システムに凝るよりもストーリーに凝って欲しいなと思います。
しつこいようですが洋子さんの過去は認めたくない…